蒼天囲みし小世界

アキレウス・コスモス。小世界を展開して防護する、アキレウスの切り札。鍛冶神へファイストスの手で作られた神造兵装。対人、対軍、そして対城や対国宝具に至るまでほとんど全ての攻撃を防ぎきる。が、この宝具の性質上対界宝具だけは苦手とする。
原典は『イリアス』。第十八歌に百行に渡ってこの盾についての描写が記されている。鍛冶神はこの盾に彼が生きた世界そのものを極小の状態で再現した。
本編ではアキレウス自身が使うことはなく、アストルフォに譲渡する形で使用された。当然ながら、宝具の譲渡は通常の聖杯戦争ではまず有り得ない。聖杯大戦という形式でも、普通は考えられないものだろう。
そもそも、宝具の多くは英雄の伝説と結びついている。青の槍兵からゲイボルクを借りたからといって、ゲイボルクが発動できるはずもないのである。
ただし、例外もある。今回の場合は「意志による反発がなく、契約を結べる状態である」「真名発動に相当の技量を要求されない」などといった必要条件に加えて、「譲る側(アキレウス)に宝具を貸与するエピソードがある」「受ける側(アストルフォ)に宝具を借り受けるエピソードがある」などといった点が宝具の譲渡を円滑に進めさせたと思われる。
なお、アキレウスに限ってはこの盾を「攻撃」に転用することができる。宝具を展開させた後、前へ前へと突き進むことでその極小世界による押し潰しを図るのだ。多分、鍛冶神はそんな使い方考慮していない。

Fate/Apocrypha material: Fate/Apocrypha用語辞典