あくまで“EXTRAの後に作れたらいいな”レベルの妄想ではあったが、CCCの草案自体はFate/EXTRAの開発後期からスタートしていた。
開発は二転三転し現在のカタチに落ち着いたが、そのコンセプトは初期から変わっていない。
Fate/EXTRAの主題は「聖杯戦争」だったが、
CCCの主題は『個人のエゴ、女性のエゴ』。
RPGとして楽しみながら、
女の子[ヒロイン]の内面・秘密をのぞき見る、女性の本性・欲望と対峙する、といった要素を前面に打ち出す事を目指した。
以下は2009年での初期企画。
『黒桜5人においまわされるRPG。
凶悪なモンスターに追いまわされるのではなく、半裸のボンデージ美女に追い詰められるインモラルな世界観。ヤンデレストーキング不思議のダンジョン。
五人の黒桜はそれぞれエロ可愛い、エロ怖い、エロうざい、エロいたい、どう見てもライダーさんです本当に(以下略)、といったものに。
根本にはバカゲーの要素もある事を忘れないように。どうしてこうなった!的な隙をいれること』
うん。基本的なラインはプレてない。きっと。
また、シナリオ面としてのテーマとして欲望の貴賎[きせん]があげられる。
Fate/EXTRAのラスボス・トワイスはあの世界における偉人だった。
彼は悪として描かれるが、その日的は『人類救罪or人類の発展』で、発端は醜いものではなかった。
仮に彼が聖杯戦争の最終的な勝利者になったとしても、人類は激減こそすれ滅亡はしないだろう。
対してCCCのラスボス候補(あるいは元凶)であるキアラは、彼とは正反対の立ち位置として生み出された。
キアラの目的は『自分だけが永遠に快楽を得る、そのために人類を犠牲にする』という、利己主義の権化じみたもの。
その願い自体は『極めて平均的な、ちっぽけな人間のエゴ』なので悪とは言い切れないが、その結果は純粋な悪として機能する。
EXTRAボスの大きな願いより、CCCボスの小さな願いの方がより大きな災害をもたらしてしまう。
Fate/EXTRAの骨子にあるものが『生存競争による相互理解(肯定)、成長、犠牲、未来」であったのに対し、
CCCの骨子にあるものは『生存執着による相互不理解(拒絶)、退行、淘汰、終未』とする事で、EXTRAとCCCは表裏一体になるよう制作された。
CCC全体に漂う空気はFate/EXTRAと間逆の、退廃的で視野の狭いものになるが、最終的に与えられるものは本編同様、『続いていく未来』を結末としている。