両儀式が視てしまう、常に流動するラクガキのような線。
線はありとあらゆる物にあり、刃物で切りつける事により、線が走っていた物体を『殺す』事が出来る。線には強度はないので、どのような物だろうと平等に殺す事が可能となる。
死の線は『物が切れやすい』線ではなく、存在の寿命という概念がカタチになったもの。
厳密に言えば、線をなぞって物を解体する、ではなく、寿命を切って物を殺している、という事になる。
物質的な破壊ではなく、存在的な消去と捉えると解りやすい。
式は生物なので、生物の死が視やすいようだ。これは同じ生物として、『生物の死』を容易[たやす]く理解できる為。鉱物、概念の死の線を視るには、彼女が鉱物になるか、脳をフル活動させて『想像』するしかない。
要は、人間に理解できない存在の終わり(線)は視えない、という事。
その他