15世紀フランスの貴族。フランス元帥としてジャンヌ・ダルクとともに百年戦争を終結させ、救国の英雄と讃えられた。が、自らのl領地に戻ってからは、近隣の少年を次々と持致しては陵辱・惨殺す
るという所行を繰り返し、一転して『青髭』の異名で恐れられるようになる。
ただし当時の一般常識に照らして言えば、そもそも貴族が平民の人権について理解を示すこと自体が希であり、領主が領民を家畜同然に扱うのは当然。たとえ虐殺したとしても犬猫の虐待とそう変
わらない程度の非道としか見なされなかった。ジルの不幸は、当時の彼の所領の総資産がブルターニュ公のそれを遥かに凌駕する規模のものであり、国王にすら脅威と見なされるものだった点であ
る。なおかつ私生活における極度の浪費癖から、ジルの財政そのものは完全に破綻しており、ともすれば領土を敵国に売り渡す可能性すら危惧されていた。結果、その領地を没収する口実としてジ
ルは平素の悪行を断罪され、処刑されることになる。
ジルと魔術との接点は、財政難を賄うための金策として始めた錬金術が、迷走の末に悪魔召喚に至ったという世知辛い経緯によるものであり、たしかにジル自身も儀式に参加はしたが、真に魔術師
と呼ぶべきは彼の友人であり導師であったフランソワ・プレラーティの方で、ジルはあくまでそのパトロンに過ぎなかった。本来であればジルはキャスターのクラスに適合する英霊ではない。という
か厳密には正しい意味での英霊ですらない。雨生龍之介による似非儀式が召喚魔術として成立してしまったのは、実際のところ事故も同然であり、キャスター=ジル・ド・レェという存在は、言うな
ればアサシン=佐々木小次郎と同程度にイレギュラーなサーヴァントである。
サーヴァント
§
人名
「Fate/Zero」でキャスターとして大暴れした男、まさかの再登場に全員ビックリ我もビックリ。ご存じ、青髭ことジル・ド・レェです。
今回はサーヴァント……というよりは、ゲストキャラクターとしてルーラーの心を折りに登場。
しかし、シェイクスピアが真のジルを召喚したせいで、ルーラーの説得にその身を翻す。ルーラーの心を折るのにジル・ド・レェは適切な人材であるが、ルーラーを敵に回すには最低の人材であった。そのリスクを承知で「面白そうだから」と張り切って台本を書いたシェイクスピアであった。自業自得という。