真祖

吸血種の中において特異な存在。性質は精霊に近い。
人間への具体的な自衛手段を持たない自然が作り出したモノで、自然の延長的な個体。人間を律するのならばヒトを雛型にしよう、と精神と肉体の構造を人間に真似て生み出された。
が、その誕生には欠陥があり、真祖は吸血衝動という間違いを持ってしまった。
全ての真祖は律するべき対象である人間の血を吸いたい、という欲求を持ち、その衝動を律する為に自らの精神力を消費している。
思うだけで世界の有り様を変えられる彼らはその『思う』という行為のほぼ全てを自身の抑制のために使用するはめになった。
しかし、それでさえ限界はある。
根本から吸血衝動を解決できない以上、その欲求は蓄積されていき、やがて自らの力だけでは抑えきれなくなる。
欲求を抑えきれなくなった真祖は自ら永劫の眠りにつく。それが寿命を持たない彼らの寿命といえるだろう。
中には欲求に負け、無差別に人の血を吸うようになった真祖もいる。堕ちた真祖と呼ばれるそれらの力は強大で、人の力で滅ぼすのは不可能と言われたほどだ。
神がかり的な能力を持つ真祖だが、発生に人々の想念がかかわっていないので神霊の類ではない。世界に望まれるも、人々に望まれたモノではないので次第に隠れ住むようになり、その数を減らしていった。
形を持ってしまったが、これも抑止力と言えるだろう。……なんのコトか解らないひとは空の境界を参照のこと。

月姫資料集: 月姫用語辞典
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吸血鬼の一種だが、どちらかというと精霊に近い存在。登場人物(人物?)の中ではアルクェイドがこれに当たる。人間に対して自衛手段を持たない自然が産み出したもの。吸血衝動という唯一にして最大の欠陥を持ち、欲求を抑えきれなくなった真祖は堕ちた真祖と呼ばれ、アルクェイドに狩られることになる。なお、真祖に血を吸われた人間は死徒となる。

MB公式攻略ガイドブック: メルティブラッド用語解説
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吸血種の中において特異な存在。性質は精霊に近い。
人間に対して直接的な自衛手段を持たない星が作り出したモノで、自然の触覚と言える存在。人間を律するのならばヒトを雛型にしよう、と精神と肉体の構造を人間に真似て生み出された。が、その誕生には欠陥があり、真祖は吸血衝動という間違いを持ってしまった。恐らく、参考にしたオリジナルが、そも欠陥を含んでいたからだ。
全ての真祖は律するべき対象である人間の血を吸いたい、という欲求を持ち、その衝動を律する為に自らの精神力を消費している。思うだけで世界の有り様を変えられる彼らは、その『思う』という行為のほぼ全てを自身の抑制の為に使用するはめになった。
しかし、それでさえ限界はある。根本から吸血衝動を解決できない以上、その欲求は蓄積されていき、やがて自らの力だけでは抑えきれなくなる。欲求を抑えきれなくなった真祖は自ら永劫の眠りにつく。
それが寿命を持たない彼らの寿命、と言えるだろう。中には欲求に負け、無差別に人の血を吸うようになった真祖もいる。堕ちた真祖と呼ばれるそれらの力は強大で、人の力で滅ぼすのは不可能と言われた程だ。
発生に人々の想念が関わっていないので神霊の類ではない。世界に望まれるも、人々に望まれたモノではないので次第に隠れ住むようになり、その数を減らしていった。形を持ってしまったが、これも抑止力と言えるだろう。
……なんのコトか解らないひとは空の境界を参照のこと。

月姫読本 Plus Period: 月姫用語辞典改訂新版
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吸血種の中において特異な存在。性質は精霊に近い。
人間に対して直接的な自衛手段を持たない星が作り出したモノで、自然の触覚と言える存在。が、その誕生には欠陥があり、真祖は吸血衝動という間違いを持ってしまった。
全ての真祖は律するべき対象である人間の血を吸いたい、という欲求を持ち、その衝動を抑える為に自らの精神力を消費している。思うだけで世界の有り様を変えられる彼らは、その『思う』という行為のほぼ全てを自身の抑制に使うはめになった。
しかし、それにも限界はある。根本から吸血衝動を解決できない以上、欲求は蓄積されていき、やがて抑えきれなくなった真祖は自ら永劫の眠りにつく。それが寿命を持たない彼らの寿命と言えるだろう。
真祖は年々数を減らしていき、アルクェイドが誕生した十二世紀には百個体にまで減ってしまった。
中には欲求に負け、無差別に人の血を吸うようになった真祖もいる。彼らは堕ちた真祖(魔王)と呼ばれ、人の力で滅ぼすのは不可能とされた。

MB Act Cadenza PS2 解説ブック: 月姫用語辞典
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生まれながらの吸血鬼。人間に対して直接的な自衛手段を持たない星が作り出したモノで「自然の触覚」といえる存在。吸血種の中において特異な存在。受肉した精霊、といってもいい。

Melty Blood路地裏ナイトメア: 路地裏ナイトメア用語辞典
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はじまりの吸血種。
星が自らの触覚として独立させた妖精、精霊と呼ばれるモノの一種族。
元が人間である死徒とは完全に異なる種であり、あらゆる宗教的な浄化儀式は通用せず、陽光をものともせず、かぎりなく不老不死に近い存在。
星からのバックアップを受ける彼らの活動限界とは自然界そのものの限界と言え、地球を一個の生命体と考えた場合には彼らは白血球のような物であり、自然を食い物にする人間を駆逐すべき要因だと見なしている。
人間が自分達を捕食する吸血鬼を『悪』だと捉えるように、真祖にとっては、星の恩恵を受けながら資源を略奪する人間は『悪』……という事なのだろう。

月姫マテリアルI: 『月姫』作品用語集
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月姫世界では「始まりの吸血種」として扱われる。
巷にはびこる吸血鬼の原因であるが、真祖そのものは一般的な吸血鬼のイメージとはかけ離れている。
少数で、限りなく不老不死に近い。
陽射しを浴びても貧血をおこす程度であり、あらゆる宗教の持つ浄化儀式も通用しない。もともと種が異なる彼らに、人間の共通意識は意味をなさないためだ。
真祖は『人間』という自然界から独立した個体ではなく、自然界といまだ融合している古い種である。
彼らが不老、不死と誤解されがちなのは、彼らが星の触覚だからだ。そもそも生物としてのタイムスケールが人間とは違っている。
寿命が遠大なのも当然で、彼らの活動限界は自然界そのものの限界といえる。真祖や精霊といったモノ達は、地球という生物の白血球のようなもの。故に、地球にアダをなす様々な要因を駆逐しえるだけの性能を持っている。

だが、彼らはその誕生の時に一つのエラーを起こしてしまった。
彼らのモデルになったモノの影響だろう。
彼らは生存のための原始的な欲求として、知的生命体の血液を摂取したい、という欲求を持ってしまった。
加えて、護り手として「受肉」した事で客観性は薄れ、同じ星の上に生きる一つの生命としての主体性を獲得してしまった。……つまるところ、ヒトよりの価値観を持ってしまったのだ。

肉なき精霊たちのように無欲ではいられなくなった彼らは護り手としての役割を見失い、中には人間のように自然界から独立する輩まで現れた。
真祖と呼ばれる彼らには限界がない。
星のバックアップを受けているため、必要とあらば必要な分だけ能力を向上させる事ができる。(それでも、真祖ごとに引き上げられる数値や速度には個体差があるが)
また、その意思の力はカタチになるほどで、真祖の念はそのまま凶器となって世界に影響をおよぼす。
空想具現化。マーブルファンタスムと呼ばれる、確率変動による世界再構築である。
……ただし世界から独立した個体である人間や動物には直接手を加えられない。人間は自然から離れる事で弱くなり、同時に自然を滅ぼしても自分たちは滅びない、という絶対的な自由を手に入れた。空想具現化はあくまで環境、状況を自在に変化させるもの。
余談ではあるが、夜の都会にとつぜんお城が現れた、なんてふざけた事態があるとしたら、それは城主である吸血鬼(真祖)の意思が城を作りあげていると思われる。

神の如き種族ではある真祖だが、欠点は存在する。
真祖といえど吸血種。血を吸う行為そのものが彼らにとっての銀の杭となっている。
地上に吸血鬼(死徒)を作りあげる原因となった彼らだが、実のところ、生命活動として血を吸う必要はまったくない。生命活動のためのエネルギーはカロリー摂取で事足りる。
だが種としての本能(知的生命体の情報を共有・摂取する=吸血)には逆らえず、結果として人間の血を吸うのである。
自然の調和を図るため人間を処断する彼らは、その実、自らの快楽のために人間というものをこの上なく必要としてしまった。
その矛盾に、誇り高い彼らの精神は自己崩壊していく。血を吸えば吸うほど、彼らは気高い精霊から、人間と同じ快楽をむさぼる獣に堕落していってしまうのだ。

その堕落は「魔に堕ちた」と言ってしかるべきもの。
そうなった真祖は自らが発生した意義を忘れ、強力な吸血鬼となって世界を汚染しはじめてしまう。
寿命のない彼らにとって「価値観を見失うこと」は、「自己の死」と同意である。
この意義の死を防ぐため、真祖は能力の大部分を吸血衝動の抑圧に使用している。
耐えれば耐えるほど増していく「血を吸いたい」という欲求を抑え続ける、果てのない我慢比べ。彼らはその絶大な「意思の力」を自らの心にぶつける事で、人間の血を吸う、という欲求を律している。
必然として、血を吸うのを我慢すればするほど、彼らの特殊能力のレベルは低くなっていく。いずれ吸血衝動を抑えられないと悟った時、真祖は自らの意思で永眠する。これが寿命のない真祖にとっての活動限界、人間で言うところの寿命と言えるだろう。

型月稿本: 世界 & 月姫キャラ設定