魔術を発動させるために必要となるもの。
一流派として安定した魔術を使用する際は、定められた形式通りに手順を踏まねばならず、その一端が呪文である。
手続きで言うのなら、申請、受理、審査、発行のうち、最初の申請である。
大きな基盤を持つ魔術行使に関しては約束事でしかないが、自己流の魔術行使の場合は自己暗示として効力の方が大きい。
魔術師の体には、魔術を成す為の魔術回路が作られている。
この魔術回路を効率よく起動・作動させる方法の一つとして、自らを作り変える『決り文句』である呪文が作られた。
呪文は世界に訴えるものではなく自身に訴えるもの。同じ魔術であれ、魔術師ごとに呪文詠唱が異なるのは術者の人間性の違いという事だ。
余談ではあるが、自身ではなく世界に訴えかける呪文は大呪文、大儀式の類[たぐい]であり、一個人での使用は不可能とされる。
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