EXTRA世界にあっても、悪魔の概念は人類にとって最大の障害として扱われる,
神が全知全能であるのなら、悪魔は人知無能の存在。
手の届く範囲にありながら決して理解できない淵(ふち)だ。
stay nightにおいて悪魔は偽物しか存在せず、
本物───受肉した悪魔に人間は太刀打ちできないとされる。
(※受肉した悪魔を退散させた例は一件のみ記録されているが、それはまた別の話)
たいてい悪魔は憑くものとされ、人間の体を用いて受肉しようと働くが、苗床になる人間の精神が耐えられず、周囲に魔をまき散らして自壊するのが通例。
中には自らの業によって入間ではなくなってしまい、結果的に悪魔のカテゴリーに含まれる人間もいるが、これは魔人化と呼ばれるもので真性悪魔ではない。
EXTRA世界において、悪魔憑きであれ、自らの業で変化したものであれ、真性悪魔を生み出した現象は2030年現在、一つの成功例もない。
悪魔、魔人化、と銘打ってはいるが、その在り方は異なる文明圏、異なる惑星に住まう高次元生命体と変わらない。なにしろこの認識宇宙における『人』ではなくなったのだから。
その在り方は二十世紀に流行した、とある創作神話における邪神の在り方に近い。
CCCの真ルートで変生[へんじょう]したある人物はこの域に達しながら、些細なミスによって神の座から転落した。
事柄