最弱のマスター。
デフォルト名は岸波白野(きしなみはくの)。
極めて一般的な17才の学生像。
クラスで三番目ぐらいの美形、というコンセプト。
……とは言うものの、女主人公のあまりの可愛さから「あれで三番目って、どんだけレベル高いクラスだよー」と多くのユーザーに指摘された。
RPGの主人公らしく、ゲーム中では無口・無個性・中立で通っている。
選択肢のテキストそのものが彼/彼女の発言で、普段はモノローグとして素朴な主観を語っている。
魔術師[ウィザード]としての能力は平均的。
魔術回路の質こそ高いが、目覚めるまでまったく鍛えていなかったので宝の持ち腐れになっている。
聖杯戦争に参加したものの、予選が終わっても『月に来る前の記憶』を思い出せず、自分は何者なのか、なぜ聖杯戦争に参加したのかを獲得するために闘いを続けていく事になる。
記憶喪失といっても生活習慣は覚えているので、日常生活に問題はない。
ゲーム本編では右も左も分からない白紙状態だが、修得している一般教養はちょっとおかしいレベル。
マトリクスの断片から各英霊たちの正体をあてる「真名当てイベント」では名探偵ばりの推理力を発揮する。もとは歴史マニアなのかもしれない。
どうでもいい話だが、フランシスコ・ザビエルの人生について一家言持っている節がある。
また、ある欠片が望んだ希望でもある。
主人公はどうしようもないほど平凡であり、戦いから無縁の環境で育った羊だった。
熾天の座で待つ者は想う。
今回の聖杯戦争はどうあがいてもレオのものだ。
彼がそれに足る逸材であり、現在の地上の王だという事を把握している。レオとの対面、その会話はたとえ理解し合えなくとも意義のあるものになるだろう。
あの少年王は、間違いなく歴代最強の優勝者になると予想していた。
───だからこそ。
だからこそ、そのレオを破った主人公の『非凡の身で最強を倒すほどに成長した』在り方に、彼は感激し、救いを見た。
戦いこそが人間を成長させる。
戦いの王は熾天の座で、
己が思想の結晶を待ち続ける。
幾たび敗れようと膝を折らなかった彼/彼女が、燃え尽きた自身の骸[むくろ]を乗り越える、その瞬間を。