ゴルド・ムジーク・ユグドミレニア

“黒”側のマスターの一人。キング・オブ・無能、キング・オブ・無駄令呪王の異名を持つ大問題中年。扱う魔術は錬金術系であり、一時期はアインツベルンの背が見えるところまで辿り着いたこともあったがすっかり零落し、ユグドミレニアに組み込まれた。
能力は決して低くはない……目を見張るほど高くもないが。カウレスや相良豹馬よりは上で、ダーニックやフィオレには敵わないという半端なランク。その代わり、魔術師としての誇りは海より深く山より高い。
机上の空論をイコール現実に置き換えるタイプ。野球を見ながら「ダメな采配だ」と野次を飛ばすオジサンのようなもの。
が、自分に仕えるべきサーヴァントが自分を殴った上に命令に逆らったことが余程衝撃的だった(何しろ、零落したとはいってもユグドミレニア内部ではまだまだ大家という認識であり、逆らう人間はほとんど居なかった)らしく、ほとんどロクにマスターらしいことができないままに退場したこともあって、二巻以降は常時飲んだくれていた。
が、どん底に落ちたことで自暴自棄になったのか、あるいは誇りが打ち砕かれたことで素直になったのか、意外な活躍を見せるようになる。
正直に告白すると、一巻プロット時点ではジークフリートの一撃でお亡くなりになっていたキャラクター。一応それなりに非道な行為に手を染めていたのだが、無能描写をしすぎたせいで滑稽な造形が強調されてしまい、逆に殺し辛くなってしまった。
生きている以上、描写をしない訳にもいかず何故か三巻と四巻で評価を取り戻し、最終的に何故か生きて帰還したキャラの一人となってしまった。
まあ、一度どん底まで落ちたのとそれを目撃したホムンクルスたちがゾロゾロいるので、恥を恐れずに、自分の家や魔術に向き直れば再び家は盛り返すかもしれない。
そのためにも、まずは自分そっくりに育った息子を教育である。「お前、自分が凄いイケてると思ってるみたいだけど、実は私にそっくりなのでどちらかというとアレなのだ」「アレか……」「アレだ……」。

Fate/Apocrypha material: Fate/Apocrypha用語辞典