ゴールデンハインド/ワイルドハント。
ライダーの奥の手にして日常とも言える宝具。
主船・黄金の鹿号を中心に、無数の小船を展開、圧倒的火力をもって敵を殲滅する。
スペインの無敵艦隊を破った「火船」の逸話と、ヨーロッパ全域で伝承される「嵐の夜」の逸話がミックスされた対軍宝具。
ドレイクが指揮していた船団を亡霊として呼び出し、一斉放火を浴びせる物理ダメージだが、現在の所持金に応じたダメージになる、という妙な特性を持っている。このため、シンジと宝箱を取り合うトレジャーハントイベントの成果によってダメージ数値が変動する。
無敵艦隊破りはドレイクを悪魔の竜[エルドラゴ]とまでスペイン人にいわしめた有名なエピソード。
千トン級以上の大型艦100隻以上を主軸とし、合計6万5千人からなる英国征服艦隊──通称、無敵艦隊に対して、エルドラゴは英国艦隊の副司令官(実質的指揮官)として参戦。英国側の戦力は船の数こそスペイン側の2倍だが、小型船ばかりで兵員数はその半分をさらに割っていた。
しかしこの小型船ばかりの陣容こそがエルドラゴ必勝の策で、彼(彼女)は遠距離からの砲撃戦を主体にして戦い、接舷することで勝負を決しようとするスペイン側を終始翻弄した。
そして特に恐怖を持って語られたのが、エルドラゴの得意とした海賊戦法“火船”である。
これは小船などに大量の可燃物を積み込んで火をかけ、敵船に突っ込ませる戦法であったのだが、エルドラゴはここで最低でも百トンクラスの船(今戦闘に用いているのと同サイズ)を“火船”に仕立て、何隻も}気に突っ込ませた。
結果として、スペイン側は英国征服を目的に艦隊を動員したにもかかわらず、まったく上陸することすらできずに大敗を喫する。
太陽の沈まぬ王国、スペインの落日である。
一方、ワイルドハントとは暴風雨や吹雪などの嵐の化身で、猟犬や山羊、馬や武装した兵士、怪物などの姿で現れるとされる。
これを率いる者は、伝説では悪魔化したアーサー王や古代の神オーディン、最初の咎人カインなどであるとされ、そうした者たちの中でもイギリスで広く信じられているのがフランシス・ドレイクである。
原則的にはその土地の荒ぶる英雄や有名人、古代の神などがワイルドハントの首領となる。
余談ではあるが、スコットランドでは嵐の夜の長はアーサー王とされている。