未明領域の中心には禁区がある。
それが月に直接打ち込まれ、月内部のフォトニック結晶に癒着してしまった星舟……ヴェルバー02の星舟である。
本編では『月に落ちた遊星の欠片』ともいわれるが、『月に不時着し、地中深くに埋まった船』が正しい。
物理的 霊子的にムーンセル内部に留まった星舟を取り除く事は、現段階では不可能。
その星舟の中に巨神アルテラが眠る石室がある。
星舟自体は直径600メートルほどのアーモンド型宇宙船だが、そのコックピットにあたる石室は巨神アルテラの認識によって広さを変える。
無駄なエネルギーを使わないためか、石室の大きさは彼女を保存する最低限の広さになる。
天井から差し込む光によって“視覚できる”範囲が巨神アルテラに許された居住スペースとなっているようだ。
星舟内部は圧縮された情報空間なのでスペースはいくらでもあるのだが、それらは巨神アルテラの成長段階によってコントロールされる。
もともと石室は天井から差し込むトップライトだけの空間だったが、地球上で活動した英雄アルテラからの記憶のフィードバックを受け、壁は岩肌の洞窟に、地面には財宝がなみなみと積まれた世界になった。