捕食遊星の尖兵としてパージされ、月に落下したアンチセル。
一万四千年前、地球の文明(旧石器時代、第二神代の黎明期)とムーンセルに多大なダメージを与えた白い巨神。
遊星にとって、地球の文明を捕食するための破壊装置の一つ。
アルテラは『巨神』のアンチセルで、自らが破壊した文明を魔力として吸収し、再現なく巨大化し、文明を滅ぼし尽くしたあとに自滅するタイブの尖兵だった。
未明領域では16メートルもの大きさだが、これは“その文明におけるヒトの十倍の姿”が彼女のデフォルト状態なため。
ここから霊子を収束するごとに巨大化していく。
地球に作った分身 巨神アルテラは重力の関係から巨大化に限界はあったが、電脳空間において限界はない。とはいっても、容量が大きくなりすぎると動作が重くなり、末端への思考伝達に時間がかかるため、巨神として行動する適度な規模(サイズ)に調整すると思われる。
アンチセルの中ではオーソドックスな、『文明を物理的に、武力によって破壊する』タイプ。
ムーンセル内ではアンチセルとしてSE.RA.PHを侵略し、同時に地球には自分の情報を送りこみ、現実世界でのマテリアルボデイ(アバター)を作成。
月と地球、同時に侵略を開始した。
月と地球に多大なダメージを与えたが、
(地上では他の天体からの降臨者をも滅ぼしている)
月ではムーンセルによって、
地球では政権をもった人間によって敗北した。
地上のアルテラはそのまま巨大な骸となったが、
本体である月のアルテラは封印に留まった。
ムーンセルにはアルテラを消去する術がなく、アルテラが入っていた涙の星をそのまま『未明領域』として隔離した。
そうして一万四千年の後の現在。
再び遊星が天の川銀河に接近し、アルテラも目覚める事になる。
(ゲーム前半はアルテラ本人の意思で目覚めた……と語られるが、実際、眠っていた彼女を起こしたのはアルキメデスである)
『Fate/EX』世界において、英雄アッテッラを生み出した要因。
一万四千年前は遊星に命じられるまま侵略を行ったが、地上でアッテッラとして活動した事から遊星に封印されていた自我が目覚め、『巨神』としての在り方に疑問と迷いを抱くようになった。
巨神アルテラは封印されていた時に見た夢───アッティラとして駆け回った平原と、人々の営み───にほのかな憧憬を抱いてしまう。それはアンチセルの使命とは絶対に相容れないものだと気付かないまま。
エクステラのボスにして新ヒロイン。
ネロがなんだかんだと万人に好かれる王道のヒロインだとしたら、玉藻の前はよりジャーゴンチックな変化球のヒロイン。
そしてアルテラは『王道感ではネロやタマモには及ばないものの、際だった個性で一点突破を計る』ニッチ系のヒロインとする。
基本人格は内向的、強気、受動的。
文明の破壊が目的ではあるものの、遊星からの尖兵としては不向きな“穏やかな”女性人格をしている。
清楚(つつましく、清らか)で、
寛容(穏やかで忍耐があり)で、
無垢(少女らしさ、残酷さ)で構成されている。
(これは遊星がデザィンしたものではなく、遊星に取りこまれ、
“白い巨神”として残ったいずこかの文明の在り方とする。もともとは母性的な、慈愛の精神に満ちた知性体だったと推測される)
穏やかで理知的な性格だが、巨神アルテラと対峙した者はその性格に気づけない。
慎ましさからくる寡黙さも、生真面目に相手の様子をうかがう視線も、人間からみれば巨人の冷徹な態度にしか見えないからだ。
結果として没交渉になり、恐怖の対象として崇められてきた。
アルテラ本人も一方的に怖がられるのは不本意だが、たとえ会話が成立しても“壊す”事でしか人々と関われない以上、互いの立ち位置は変わらない。
なので誤解を解こうとはせず、恐れられるままでいいと諦めている。
『ものすごい美人なのに自分を美人だと分かっていない 育ちの良い令嬢』そのもの。
主人公を捕らえ、見守りながらもべったりと甘えて依存してくる、聖母系クールデレ。
年上としての余裕と包容力、
孤独な立ち位置からくる儚さと淋しさ、
そして侵略者としての冷徹さと冷酷さが複合されている。
と、ここまではあくまで「基本人格」。
アルテラは三つの要素(立ち位置)で構成された性格で、それらは混合したものではなく、それぞれ独立したものとして扱われる。
人間で言うのなら多重人格のようなもので、アルテラは用途に応じて他者への対応──性格OSを切り替える。
性格はアルテラのシンボルである三原色のプリズムに対応しており、
緑 少女としての相。気弱、可愛い。
赤 戦士としての相。冷たい 怖い。英霊アルテラのベースはこの性格。
青 女神としての相。慈愛、優しい。
となっている。基本は青の人格で、覚醒時や嬉しい事があると緑に、戦闘時や怒った時は赤に変化する。
あの三色の光はアルテラの性格を表していたのであった。信号機か。
また、人格OSが複数あっても趣味嗜好は変わらない。
好きなもの か弱いもの、穏やかな時間、髮飾り、スキンシップ
嫌いなもの 弱者、偏見、嘘、病気
『穏やかな時間』はつまるところ『アルテラを怖がらない話し相手』になる。
弱者は生命としての強い弱いではなく、精神的に弱いもののこと。
『か弱いもの』は『可愛いもの』でもある。アルテラのマイルームが少しずつ少女趣味になっていくのはこのため。
複雑な話だが、たとえば『か弱いもの』に対して、少女人格の時には愛おしむ、戦士人格の時には弄ぶ、女神人格の時には慈しむ、というパターンに分かれる。
基本的にアルテラは他人とのコミュニケーションに飢えている。
話し合いたい 触れ合いたい と願ってきたがそれが叶う事はなかった。
なので、アルテラにとって主人公が初めての“偏見なしで接してきた”相手だった。
今まではあらゆるものに怖がられていたアルテラは、主人公に優しく触ってもらえるだけで嬉しい。優しく触ってもらえる事に喜びを見いだす。
なのでとにかく主人公に触りたがるが、怖がられると分かっているので『引っ込める……といったもどかしいジレンマといつも戦っている。基本、引っ込み思案なので。
が、いざ口実ができればここぞとばかりに大胆になる。
⮕マスターが戦いで疲れた⮕疲れを癒やすには丹田の上で回復⮕イベント開始、といった具合に。
本編でも巨人と人間の交友ものとして、このあたりの触れあいはハートフル、かつフェティッシュに描かれている。(スキンシップが嬉しい⮕楽しいに。主人公を自分の体で遊ばせるのが楽しいといった風に)
ネロと玉藻の前に対しては、どちらもムーンセル征服を阻む障害として認識している。
表向きは「他のレガリア所持者は邪魔」と口にし、排除しようとする。
ロにはしないが、主人公の正統なサーヴァントである二人に、憧憬と妬み、そして恐れを感じている。
アルテラは自分が怖がられるだけのものと理解しているので、主人公もすぐに前に契約したサーヴァントのところに行ってしまうのではないか、と不安で仕方がない。
ネロとタマモを倒してようやく主人公を完全に虜にできる(物理的にも精神的にも)と考えている。
なので二重の意味でネロとタマモを容赦なく消去しにかかる。
英霊アルテラは「やつらを始末し、万全のおまえを手に入れる」と凛々しく語り、
巨神アルテラは「話し合いは無意味です。彼女たちには消えてもらいます」と言葉こそ穏やかだが妥協のない態度を見せる。
アルテラたちにとって、ネロは征服者としてもサーヴァントとしても目障りな相手。相容れる事はできない。その自由奔放さが憎らしくもあり、羨ましくもある。
(主人公の事さえなければ、寂しがり屋のアルテラにとって、極度にかまってくるネロはいい友人になる可能性が高いのだが)
一方、玉藻の前は主人公の契約者なので排除するべき邪魔者だが、ネロほどイライラする相手ではない。
むしろ『人間ではない』『立場は違えど神霊』『ネロに本契約をとられている』といった点で共感するところが多いが、だからこそ不可解な相手。
怪物である自分を、なぜあそこまで気にしないで気楽に振る舞えるのかと。
ネロが征服者としてのライバルなら、玉藻の前とはEX世界最強スペックを争うライバル。