白紙化地球

ロストルームにて、藤丸立香が垣間見た二〇一八年以降の地球。
異聞帯の出現によって地表のテクスチャーを削ぎ落とされた地球。
地表の自然も、文明の跡も失われた『まっさらな惑星の殻』。削ぎ落とされたテクスチャー(人類史)が何処に消失したかは不明。地表から生えた空想樹の枝は地球を覆う膜となり、対流圏と成層圏の境界、対流圏界面に巨大な天幕を作ってしまった。電磁波は透過するものの、物質はこの天幕を越えられず地球人類は閉じ込められたカタチになっている。七つの異聞帯を切除しないかぎり、元の人類史には戻らないと推測されている。
異聞帯以外では生命のない惑星となったが、白紙化の際、まれに『白紙化に取り残された』地域、建物、生命があるようだ。
白紙化が行われたのは二〇一七年十二月三十一日。宇宙から空想樹の侵略が始まり、地表に七つの空想樹が落ち、七つの異聞帯が発生。正史であった土地は消失し、異聞帯は嵐の壁によって守られた。その後、若干のタイムラグの後、一斉に地球表面が白紙化された。白紙化は各異聞帯から放射線状に広がったものと考えられる。

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