バイロン・バリュエレータ・イゼルマ

双貌塔イゼルマの管理者。
正しい意味で、黄金姫、白銀姫の製造者である。
途中黄金姫(に整形されたカリーナ)が話したように、バイロンの術式はあの段階ですでに時代遅れになっていた。イゼルマの魔術は一定の成果を上げたが、上げたからこそ、すべてを見直さねばならないタイミングだったのだ。
残念ながら、その見直しができるほどの才はバイロンになかったことが、悲劇の最大の理由と言えるだろう。
事件の後は、イゼルマの魔術のほとんどを放棄することになり、ほとんど抜け殻となった残りの生涯を過ごすことになるが……これも現代の魔術師にはありがちな末路。
作中語られているが、闇オークションで菩提樹の葉を買うだけの資産をバイロンに与え、いくらか誘導しつつ、記憶阻害の術式でこれらすべてを隠蔽したのは、もちろんハートレスである。イゼルマの「人間の生活そのものを惑星の運行と照応させる」術式が彼には必要と考えたためだった。

ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 material: ロード・エルメロイⅡ世の事件簿用語辞典