フイオレ・フォルヴェッジ・ユグドミレニア

“黒”のマスターの一人。フォルヴェッジ家の現当主。両足部分に存在する魔術回路が変質、畸形化しているため、歩行機能を喪失している。魔術師としての潜在能力は、恐らくダーニックを上回っており、長ずれば必ず末子から開位に。そしてその先すらも期待されていた逸材。
しかし本人は魔術以外に関しては全く何も分からない、まさに研究者的な魔術師である。大変な世間知らずで「ネット?網のことですか?」と真面目にボケる。ただ、好奇心は割と旺盛でカウレスが使っている携帯をせがんで買って貰ったりもする。
魔術師としての力量は間違いなく一流なのだが、あまりに優秀すぎて魔術師としての業に全く直面してこなかった。端的な例が、野良犬に対する思い出である。あの記憶を、フィオレは決して忘れず、棚上げすることもせずにずっと向かい合い続けていた。それは魔術師(特に降霊科の魔術師)にとって、絶対に不要なものだと理解していながら、捨て去ることのできない、あまりに真っ当な人間らしい感情だった。
カウレスに対しては可愛い弟として扱っており、実は半ば依存している節がある———が本人は全く自覚なく、しっかり者のお姉ちゃんぶっている。カウレスが野暮な指摘をしたりすることもないので、ますますお姉ちゃん有頂天状態である。
使う魔術は降霊術であるが、彼女は自分自身に降霊や憑依させるのではなく、機械的に組み上げられた部品に動物霊を複数降霊させた魔術礼装を愛用している。
本編にて、魔術師の道を断念した彼女は両足のリハピリに取り組んでいる。そこから先の人生は、魔術しか知らなかった彼女にとってさぞかし刺激的な人生になるのではないでしょうか。無論、手放した魔術を惜しみ続ける気持ちも一生涯残るのですが。

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