衛宮切嗣

フリーランスの魔術師。享年三十四歳。
良くも悪くも士郎の生き方を決定付けた人物。
衛宮士郎の養父。
前回の聖杯戦争ではセイバーのマスターとなり、最後まで勝ち残った。
銃器を好み、固有時制御という特殊な魔術を習得していた。
マスターとしての適性はノーマルだが、“敵対する魔術師を殺す”事に関しては折紙付きだった。
言うなれば魔術協会におけるヒットマンで、そのあたりの腕がアインツベルンに買われたと恩われる。
聖杯戦争時は敵マスターを騙すわ恋人を人質にするわ建物ごと爆破するわ、そりやもう言峰が若々しく思 えるほどの悪役っプリすたったらしい。……いやまあ、 実際その頃の言峰さんは若いのですが。
優男の宿命か、さりげに妻と愛人がいたりする。
魔術師として行動する時以外は極度のフェミニストで、「女の子は泣かせないコト、後で損するからね」と幼い士郎に言い聞かせていたとか。
……ん?こいつホントにフェミニストか?
聖杯戦争後、言峰に受けた“この世全ての悪”に蝕ま れ他界。

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Zeroのプロローグとエピローグを占める、一応の主人公。
目的のために手段を選ばない、という言葉の体現者。世界平和を願う夢想家でありながら、その実現においては冷酷非情のリアリスト。あらゆる人間を愛しつつ、あらゆる人間を殺す覚悟を決めた男。その心に葛藤はなく、なのに悲しみを捨てきれない。
魔術を完全に道具として割り切り、近代科学で置換できる手段はすべてハイテク頼りを旨とするマジカル007。いっそ素敵装備満載の切嗣カーとかで暴れまくってほしかったところだが、考えてみたらセイバーに乗らせたV‐MAXがそういう位置づはだったのかもしれない。
かつて一人の少年が〝正義の味方〝として憧れた人物だったが、当人はその憧れを、ごく初期の段階で喪失し、ついには正義というものを呪うようにまでなりながらも、そこに至るまでの犠牲を無駄にしたくないという一心から深みに嵌っていった。そんな後ろ向きな態度ゆえ、同姓の英霊に比べれば『正義の味方』としての〝格″は多いに劣る。むしろいっそ本人にもう少し悪のカリスマ的ラスボス属性があれば大成したかもしれない人物なのだが、結局のところ、平和な安らぎの中で家族と過ごした場面こそが、彼の本当の素顔なのだろう。人生のあらゆる局面において、エロゲ主人公もかくやというばかりのモテ粒子を発散し、なおかつそれに惹きつけられた女性を悉く不幸な末路に追いやっているという呪いのような男。彼のもたらすジンクスを打ち破った女性は、かの冬木の虎ただ一人である。すげー藤ねえチョーすげー。
その享年から逆算するに、修羅の全盛期はハイティーン時代となってしまうのだが、そこはまぁ、ほら。八頭大とか相良宗介とか、世に豪傑は大勢いるわけで。

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