異聞帯

突如地球上に現れた広域観測不可能域。
ダ・ヴィンチ命名、濾過異聞史現象ロストレガシー。
略称を異聞帯とする。
次元断層に近い障壁(白い嵐)に囲まれており、X線・電波・可視光による内部観測は不可能となっている。
その正体は『剪定事象』から蘇った『現在の歴史とは違う前提で継続している人類史』、即ち異聞帯である。剪定事象とは、文字通り人類史の流れから切り取られた、可能性が極端に絞られたために『無かった事』にされたイフの人類史だ。現在の人類史にいたる過程で『不要なもの、不要なゆらぎ』としてそぎ落とされた遺物、『その先は行き止まりなので歴史を打ち切る』と並行世界論にすら切り捨てられた“この宇宙から排除された、もしもの歴史”。(魔術王による人理焼却は彼ら一人によるものだったが、剪定事象は“人類史そのものが行う、人類の総意によって焼却された頁”である)。それが現在の地球に上書きされ、人類史を乗っ取ってしまった。
異聞帯は“もしも”を前提とし、その過程で実際に二〇一八年まで“存続した”世界である。

永久凍土に支配された大地。
不老不死を叶えた皇帝が君臨する千年帝国。
幾度となく創世と滅亡を繰り返す蓮の台地。
そして神々が実在する北欧と海洋巨大都市。

異聞帯は少しずつ拡大していく。
このまま異聞帯を広げさせては異聞帯の歴史に正史が乗っ取られる。
異聞帯はもともと“人類にとって過ちでしかないルート”として進み、滅び去ったものだ。その狂気のイフを正史にしては人類の絶滅は避けられず、また、消え去った正史の復興も無い。白紙化された地球を復元し、正しい人類史を取り戻すには異聞帯を表面から切除する他ない。
藤丸立香は新体制のカルデアでもう一度、マスターとして狂った人類史と戦う事になる。

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