魔性菩薩

ましょうぼさつ。
ある人物を指した言葉、名称。
頭に生えた魔羅[つの]は天魔のもの。即ち、この者が覚者の敵対者である事を示している。
『快楽』を優先する自己愛の塊。
その過程で他人の人生を利用・食い物にし、破滅させる人畜災害。
この女を知った人間はまず彼女の聖母の如き慈愛にふれ、魅了されたように入信。
その後、彼女に愛されたいあまりに自己の欲望のみをひたすら追及して痴態を晒すが、欲望は満たせば満たすほど薄くなってしまうもの、
薄くなった快楽をこの女は好まない。
信者たちはこの女に関心を持ってもらえなくなり、「もう愛してもらえない」という絶望から命を断っていく。被害者は体も資産もまるごと食い物にされる訳である。
かぎりなく有罪なのだが、自殺した者たちがすべて彼女に感謝しているため、犯罪として立件できずにいる。
無論、感謝というのは被害者たちの勘違い、あるいは自己欺隔。彼らもこの女が聖女なのではなく底なしの悪魔である事に薄々気がついていたが、その魔性からは抜け出せず、畜生道に落ちていくだけだった。
方向性は違うが、女版の言峰綺礼とも言える。
言峰は自分を悪と認め、その性を良しとした非人間。
この女は自分の行い全てを善と捉え、主張する物[もの]の怪である。
この物の怪は自分に何ひとつ嘘はつかず、しかし嘘まみれの言葉で周りを食い物にし、自分のために消費する。
その自我の絶対性、迷いのなさは、常人から見れば悟りの境地だ。彼女に『聖人』と呼べるところがあるとすれば、それはこの一点だろう。

また、魔人化による変生[へんじょう]後の姿はCCC最大の見せ場にしてツッコミどころ。
正式名琳は随喜自在第三外法快楽天[ずいきじざいだいさんげほうかいらくてん]。
新しい天[かみ]であり、貧欲な地母神の末喬である。
本来なら「奥義・性欲完全オフ」を体得しているセイヴァーさんぐらいでしか諌[いさ]められない女の化身。
その基本攻撃がことごとく肉弾行[にくだんこう]なのは、神様特有の不思議エフェクトで攻撃するより、直接触れあうせめぎ合いの方が愉しいからだそうだ。
Fate/EXTRAのボスキャラと同時期にキャラメイクされたボスキャラで、その立ち位置は表裏一体になっている。
「Fateといえば思想的なボスキャラです。EXTRAでもその例を守りたい」
と新納氏にプレゼンされ、「よし。ならば空の境界とFate/stay nightの二大外道の名前を合わせたものがよいでしょう」
という事で、ああいう名前になった。
おりしもベヨネッタをクリアしてハイテンションだったシナリオ担当が、
「なんか俺もすごいピッチが書きたい。超エロい宇宙規模のピッチ。つーか新ジャンル・ゴッドビッチ」
と欲望を丸出しに、武内崇に
「ラスボスは裸エプロンでお願いします」
などと、意味不明の要望を出したという。している。

Fate/EXTRA Material: Fate/EXTRA用語辞典