カトプトロン カタプレゴン。
ランク B、種別 対軍宝具、レンジ 50 、最大捕捉 一隻。
アルキメデスの伝説にある、シラクサ海岸に停泊した軍船を燃やしたとされる光学兵器。
アルキメデスの事績について西欧世界では長らく忘れ去られており(5〜6世紀頃に伝記が著されて顕彰されたが、それすらもいったん忘却の彼方となった)、古代ギリシャの文芸や学問が掘り起こされ、盛んに議論されたルネサンス期以降に注目されることになった。
とりわけセンセーショナルな話題として取り沙汰されたのが、敵船に火災を起こしたという発明だった。
「マルケルスがそれら(彼の船団)を弓の射程距離にまで下がらせた時、老人(アルキメデス)は鏡の大きさに比例した間隔で、四隅に同様の鏡を配直、接続してヒンジによって稼働し、太陽光線(サンビーム) ───夏冬に関わらず真昼の光線を中心部に捉える六角形の鏡のようなものを構築した。然る後、光線が鏡に反射すると、船上で恐ろしい炎が燃え上がった。そして、弓の届く距離内の船は、灰となったのである」
現在の地球ではどのような実験をしても鏡の反射で船を焼く事はできない。
これは彼が生きていた頃の大気に魔力(マナ)がまだ残っていた事を示している。
アルキメデスは太陽光だけでなく周囲のマナを取りこみ、熱線として照射する魔術礼装を開発したのである。