聖杯を得る為の競争行為を示したもの。
聖杯と称するモノが伝説上の聖杯と同じ能力があるのなら、偽物を巡る戦いでも聖杯戦争と呼ばれる。
冬木市の聖杯戦争は特殊で、英霊を使い魔にするサーヴァントシステムは冬木市だけのものなのだとか。
その準備、取り決めは魔術協会が行い、大部分の権利は協会が抑えているのだが、聖杯の名を冠する以上聖堂教会も黙ってはいない。
その真偽がどうであれ、聖杯は全て我々が管理する ———と聖堂教会は冬木市に監督役を送り、隙あらば聖杯を魔術師たちから没収しようと企んでいる。
……ゲームソフトを作ったのが魔術協会に属する魔術師たちで、
ゲームを動かすハードの利権を持っているのが聖堂教会というコトだ。
あんまりと一言えばあんまりな例ですがっ。
聖杯を求める魔術師たちの闘争及びそのシステム。日本の冬木市を舞台に、約60年に一度の周期で行われており、今回は四度目の聖杯戦争となる。聖杯に選ばれた7人のマスターと、彼らに召喚された7騎のサーヴァントがそれぞれペアを組み、最後の1組になるまでバトルロイヤルを繰り広げる。そして、その勝者だけがあらゆる願いをかなえるという聖杯を手にすることができる。その実態は200年前、始まりの御三家によって造り出された、聖杯を顕現させるための大規模な魔術儀式。第一次はまともにルールやシステムが構築されておらず、儀式は失敗続きに終わった。だが、200年に渡る過去三度の経験によって次第に洗練されて行き、現代のようなシステマチックなものへと変遷していったという。
『聞け、数多の魔術師よ。
己が欲望・で地上を照らさんと、
諸君らは救世主たる罪人となった。
いかなる時代、いかなる歳月が流れようと、戦いをもって頂点を決するのは人の摂理。
月に招かれた電子の世界の魔術師たちよ。
汝、自らを以て最強を証明せよ。
熾天[してん]の玉座は、
最も強い願いのみを迎えよう───』
ムーンセルによって開かれた聖杯争奪戦。
月の内部に作られた七つの海を舞台にした、128人のマスターによる生存競争のこと。
ムーンセルは定期的に地上から人間を呼び集め、一度だけムーンセルの使用権を与える事を報酬に彼らを競わせる。
戦いはトーナメント方式で行われ、128人のマスターたちが一騎打ちで戦っていき、最後の一人になるまで続けられる。
一回戦ごとに半数のマスターが散っていくデスゲームであり、一度参加した以上、最後の一人になる事でしか生還は叶わない。
ムーンセルは“最強の一人”を求めているのではない。この生存競争そのものが観察対象であり、人間を知るための物差し[スケール]として機能している。
もちろん勝者が何を望み、どんな結果を招くのかも人間を知るための数値として入力される。
万能の願望器である「聖杯」を求め、七人の魔術師(マスター)と七騎の英霊(サーヴァント)が覇権をめぐる争い。第二次大戦末期、帝都において行われた聖杯戦争が帝都聖杯奇譚Fate/type Redlineである。