両儀幹也

ご存知、「空の境界」における、もうひとりの主人公。
まともな人間にとっては、どうということもない穏やかな青年。しかし、人の道の外を行く者にとっては致命的な毒となりえる、ありえざる平凡。その性質は「冒険」でも遺憾なく発揮され、夜劫雪信にとってはまさしく出会い頭に十七分割を食らったぐらいの打撃を与えてしまったのである。なお、マニアは気づいたかもしれないが、夜劫雪信が見てしまったのは織の方である。雪信も無意識にそれに気づいており、あのときの両儀について「彼女」とは言わず、「高校生」とのみ言っている。
今回は『ロード・エルメロイII世の冒険』に出張するにあたって、『空の境界』のラストから『空の境界未来福音』までの時系列を改めて確認することとなった。とりわけ必須だったのは蒼崎橙子の事務所である『伽藍の堂』の保有者が誰だったかなのだが、この時期は水原真鮎がオーナーとなっている。とある青年が転がり込み、絵本を出版することになるのは、これからもう少し後のこと。

TYPE-MOON BOOKS material: ロード・エルメロイⅡ世の冒険用語集