第4次聖杯戦争におけるライダーのサーヴァント。当初はケイネス・エルメロイ・アーチボルトによって召喚されるはずが、聖遺物を盗んだウェイバー・ベルベットによって召喚され、契約を結ぶ。
原作者によって託された課題は三つ。イスカンダルという真名と、王の軍勢という宝具、そして「セイバーはギルガメッシュやイスカンダルと闘争することで、王としての自分を考え直す」という展開である。
そこでセィバーともギルとも違う王者、という三角測量によって、まずは容姿と性格の方向性が決定され、後は史実のエピソードを、どうやってそっちのベクトルにねじ曲げていくかという作業が課されたわけだが……文献に当たれば当たるほど、アレキサンダー大王の少年ジャンプ的生涯はこちらの予想の斜め上を行き、なんかこちらの希望した方向性と充分近い路線にのっけから居てくださった。数々の強敵に対するリスペクトぶり、為政者ではなく冒険者としての行動原理など、どう見ても原哲夫ワールドの住人としか思えない。っつうか、いつの日か原哲夫先生にアレキサンダー大王を題材として漫画を描いていただきたい。マジで。
戦略そっちのけでトロイア名所観光をおっぽじめたりと、そのイリアスの愛好っぷりは、もはや人類史最初のオタクセレブと呼ぶに相応しい。
アルテラ陣営のサ—ヴァント。クラスはライダー。
紀元前4世紀、ギリシャ人国家であるマケドニアの王家に生まれる。母オリュンピアスの影響で幼い頃から神話の英雄物語に耽溺し、自らをゼウス(エジプトの神アモンと同一視された)の子と信じた。
20歳の若さで王となつた後はギリシャ統1を手始めに覇道に乗り出し、東方遠征の軍を興して自らその先頭に立ち、大国ペルシャを打ち破ったのみならず、ペルシャの支配下にあったエジブトをはじめ数多くの国々を呑み込んでいった。
イスカンダルというのは、アラブ ペルシャの人々による彼の呼び名である。彼の東征はインドにまで及んだが、将官の反発や兵士の疲弊によってバビロンに引き返し、この地で急逝する。
征服者として歴史上最大の国家を打ち立てるが、「最強の者が帝国を継承せよ」と遺言したことで死後、帝国は分裂した。『征服王』の異名を持つ覇王、痛快にして豪快な英霊。
SE.RA.PHの異常、アルテラ解放を感知したムーンセルによって召喚されたトッブ サーヴァント。
しかしどうも地上とは勝手の違うSE.RA.PHでの戦闘に馴染めず、チュートリアルがてらにアルテラと戦ったところ、当然敗北。以後はアルテラ陣営になってしまった。舐めプほんとよくない。
英霊アルテラに破れた事で主人公のサーヴァントになってはいるが、ゲーム中では英霊アルテラとは同格の扱い。
英霊アルテラは「私に敗北した以上、おまえの命は私のものだ」と王として振る舞いはするが、イスカンダル、ジャンヌを格下とは見ていない。
戦いの勝敗はあくまで運によるもの。実力では互角だと英霊アルテラは判断している。
それはイスカンダルも承知しているが、敗北したという結果は誤魔化さない。イスカンダルは英霊アルテラに不覚をとった以上、アルテラの大願成就に力を貸す、という方針になった。
あくまで手を貸しているのはアルテラであって遊星ではない。
翻訳者注
- ^ 統 → 統一。
征服王イスカンダル。もしくはアレクサンダー大王とも。
世界史全体を見渡しても、これほどの偉業をなしたものが何人いるかという大英雄。
第四次聖杯戦争においてはライダーとして現界し、ウェイバー・ベルベットのサーヴァントとなった。宝具はフェイカーの『魔天の車輪』の原型となった『神威の車輪』による蹂躪走法、そしてランクEX、数万の英霊を呼び出す『王の軍勢』。
事件簿においてはほぼ本人は登場しなかったが、その存在感は絶大。
ハートレスによって目をつけられたのも、むべなるかな。あまりの偉業ぶりから歴史上オリンポス十二神に選ばれかけたこともある……という逸話より、ハートレスの計画が始まったのだった。
本編最後にグレイが聞いた言葉が、本当にイスカンダルのものだったかどうかは分からないが、彼女の手の中に蘇った匣だけは、紛うことなき本物の「奇跡」であった。